タンタンの長編アニメーション映画

タンタンの長編アニメーション映画(タンタンのちょうへんアニメーションえいが)は2本製作され、いずれもベルギーベルヴィジョン・スタジオで作られた。

概要

1969年に『タンタンの冒険』の中の「ななつの水晶球」(Les 7 Boules de cristal)と「太陽の神殿」(Le temple du Soleil)を原作とした劇場版長編アニメーションTintin et le temple du SoleilTintin and the Temple of the Sun)と1972年にはエルジェの原作でないオリジナルの長編アニメーションTintin et le lac aux requinsTintin and the Lake of Sharks)が作られた。

いずれも日本では劇場未公開であるが、前者は1989年日活からビデオが発売された。邦題は『タンタンの冒険旅行 太陽の神殿』。翌年には『タンタンの冒険旅行 湖底のひみつ基地』のビデオも発売されたが現在では廃版。キャスト(声優)も現在出回っているものとは違っていた。

なお、2000年から2002年カートゥーン ネットワークで劇場版2編が放映されるが、声優を一新し、翻訳も大幅に変えて放送された。キャスティングは『タンタンの冒険』(ネルバナ+Ellipse制作)の声優が起用されているが、スタッフが異なる為、敵役のラスタポプロスのみ声優が変更されている。なおタイトルも『タンタンの冒険 ななつの水晶球と太陽の神殿』『タンタンの冒険 呪われた湖の謎』と変更となった。

長年日本におけるカートゥーン ネットワークの公式ウェブサイトで使用された1992年版の初代ロゴは、2021年1月より廃止し、日本におけるWarner Bros. Discovery Japan(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)としての運用開始は、2022年からターナージャパン株式会社(TBS)で展開しているため[注 1][1][注 2][注 3]、劇場版2編の日本語吹き替えは、カートゥーン ネットワーク版から日活版に差し戻された。

もう1つ1980年頃に『タンタンと名犬シローの大冒険 危機一髪海賊軍団せん滅』というアニメが1度だけ日本で放映されているが、こちらのアニメについては不明。新聞には古川登志夫と掲載されていたが内容は不明。ただTintin et le lac aux requinsと同じ1972年と表記されていたが監督名と製作国は違っていた。

タイトル

これらの映画のCD(サウンドトラック)はタンタンの実写版映画と共に『Tintin au cinema』に収録されている。

Tintin et le temple du Soleil(Prisoners of the Sun)【ななつの水晶球と太陽の神殿】

  • 製作年:1969年
  • 製作国:ベルギー・フランススイス合作
  • 原作・監修:エルジェ
  • 監督:エディ・ラテスト
  • 脚本:エディ・ラテスト、エルジェ、ミシェル・レニエ
  • 撮影:フランソワ・レオナール
  • 音楽:フランソワ・ローベ(en:François Rauber)
  • 挿入歌作詞・作曲(劇中曲):ジャック・ブレル(en:Jacques Brel)

タンタンの冒険の中の「ななつの水晶球」と「太陽の神殿」の2冊を原作とするアニメ。基本的には原作に忠実だが、原作にはない王の娘、つまり王女(少女)が出てくる。

  • 日活版タイトル:『タンタンの冒険旅行 太陽の神殿
  • カートゥーン ネットワーク版タイトル:『タンタンの冒険 ななつの水晶球と太陽の神殿

Tintin et le lac aux requins(Tintin and the Lake of Sharks)【呪われた湖の謎】

  • 製作年:1972年
  • 製作国:ベルギー・フランス・スイス合作
  • 監督:レイモン・ルブラン
  • 脚本:ミシェル・レニエ
  • 撮影:フランソワ・レオナール
  • 音楽:フランソワ・ローベ

これはエルジェの原作にない、完全オリジナルのアニメ。湖底にあるビーカー教授の屋敷兼ラボ(研究所)に招待されたタンタン一行がまたしても事件に遭遇する。教授が開発したという装置を悪の組織に狙われ、地元の子供たちも危機にさらわれて、タンタンが悪の組織に挑み解決して行くというストーリー。

  • 日活版タイトル:『タンタンの冒険旅行 湖底のひみつ基地
  • カートゥーン ネットワーク版タイトル:『タンタンの冒険 呪われた湖の謎

日本語版声優

日活版の吹き替え声優

太陽の神殿

湖底のひみつ基地

カートゥーン ネットワーク版の吹き替え声優

ななつの水晶球と太陽の神殿

呪われた湖の謎

DVD

2007年4月、シネフィル・イマジカから「タンタンの冒険旅行〈劇場版アニメーション〉メモリアルDVD-BOX」が発売された。これはエルジェ生誕100周年を記念しての限定発売。なお、2002年にカートゥーン ネットワークで放映されたベルヴィジョン・スタジオ製作の旧TVシリーズを約1時間に編集した『ビーカー教授事件』も入っている。特典映像としてカートゥーン ネットワークで放映された「太陽の神殿」でカットされた一晩森で過ごす時にソリーノが歌うシーンが収録されている。

脚注

注釈

  1. ^ 1992年 - 2002年にかけてタイム ワーナー エンターテイメント ジャパン株式会社が運用を開始して以来20年振りとなる。
  2. ^ 後に2022年1月1日以降の日本におけるカートゥーン ネットワークのバンパーやタイトルテロップは、「Dimensional」から「Redraw Your World(えがこう!キミだけの世界)」に一新され、同年2月より、日本におけるカートゥーン ネットワークの公式ウェブサイトは、「CHECK it 1.0」から「Redraw Your World(えがこう!キミだけの世界)」にリニューアルした。
  3. ^ 2022年6月22日ワーナーメディア・ジャパンは、ディスカバリー・ジャパンと統合し、ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパンとして新体制に移行したため[2]

出典

  1. ^ “WarnerMedia Japan (ワーナーメディア ジャパン) - 外資系求人・英語を使う転職・就職ならキャリアクロス”. careercross.com. 2022年2月21日閲覧。
  2. ^ “WBDiscoveryより新体制のご案内”. ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン (2022年6月22日). 2022年7月1日閲覧。
シリーズ作品
キャラクター
  • タンタン
  • スノーウィ
  • ハドック船長(英語版)
  • ビーカー教授(英語版)
  • デュポンとデュボン(英語版)
  • ラスタポプロス(英語版)
  • カスタフィオーレ夫人(英語版)
  • アルカサル将軍(フランス語版)
  • チャン(英語版)
  • ネストル(英語版)
  • ムスカル12世(フランス語版)
  • エザブ首長(フランス語版)
  • アブダラー(フランス語版)
  • ランピョン(英語版、フランス語版)
  • アルンバヤ族(フランス語版)
登場舞台
  • シルダビア
  • ボルドリア(英語版)
  • サン・テオドロス(フランス語版)
  • ヌエボ・リコ(フランス語版)
  • ケメド(フランス語版)
  • ムーランサール城(英語版、フランス語版)
  • ユニコーン号(英語版、フランス語版)
掲載誌
  • 20世紀子ども新聞(英語版、フランス語版)(20世紀新聞(英語版、フランス語版))
  • ル・ソワール・ジュネス(フランス語版)
  • ル・ソワール(英語版、フランス語版)
  • タンタン・マガジン(英語版、フランス語版)
製作者
  • エルジェ(作者)
  • ノルベール・ヴァレーズ(英語版、フランス語版)
  • ボブ・ド・ムーア(英語版、フランス語版)
  • エドガー・P・ジャコブ(英語版、フランス語版)
  • ジャック・マルタン(英語版、フランス語版)
  • ミシェル・グレッグ(英語版、フランス語版)
  • ロジャー・ルルー(英語版、フランス語版)
  • ジョゼット・ボージョ(英語版)
  • ジャック・ヴァン・メルケベケ(英語版)
  • 張充仁(英語版、フランス語版、中国語版) (チャン)
映像化作品
テレビアニメーション
  • チンチンの冒険 (1958–62年)
  • タンタンの冒険(英語版、フランス語版) (1991–92年)
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日本語版
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