チエノジアゼピン系

曖昧さ回避 チエノベンゾジアゼピン」とは異なります。
チエノジアゼピンの基本構造

チエノジアゼピン系英語: Thienodiazepine)は、ジアゼピン環とチオフェン環が縮合した複素環式化合物である。ベンゾジアゼピンのベンゼン環をチオフェン環に置換しただけであり、同様にベンゾジアゼピン受容体結合部位に作用し、ベンゾジアゼピン系と同様の作用を有する。このため、大きくベンゾジアゼピン系薬物に入る。

チエノジアゼピン系の構造は、次のようないくつかの製薬医薬品の中核となる。

  • トリアゾラム(ハルシオン)は、ベンゾジアゼピン誘導体である。
    トリアゾラム(ハルシオン)は、ベンゾジアゼピン誘導体である。
  • エチゾラム(デパス)は、チエノトリアゾロジアゼピン誘導体である。
    エチゾラム(デパス)は、チエノトリアゾロジアゼピン誘導体である。
  • ブロチゾラム(レンドルミン)は、チエノトリアゾロジアゼピン誘導体である。
    ブロチゾラム(レンドルミン)は、チエノトリアゾロジアゼピン誘導体である。
  • クロチアゼパム(リーゼ)は、チエノジアゼピン誘導体である。
    クロチアゼパム(リーゼ)は、チエノジアゼピン誘導体である。

これらチエノジアゼピン誘導体は、ベンゾジアゼピン系誘導体とよく似た化学構造と作用を持つため同様の注意が必要だが、とりわけ救急医療においてチエノジアゼピンはこの化学構造の違いにより、簡易薬物鑑別のためのトライエージでの検出ができない(または検出しにくい)[1]

規制

1971年の向精神薬に関する条約における規制管理は、クロチアゼパムがスケジュールIV薬物である[2]

クロチアゼパムは麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)における第三種向精神薬である[3]

脚注

  1. ^ 上條吉人 著、相馬一亥(監修) 編『臨床中毒学』医学書院、2009年10月、95-98頁。ISBN 978-4260008822。 
  2. ^ 松下正明(総編集)、編集:牛島定信、小山司、三好功峰、浅井昌弘、倉知正佳、中根允文 編『薬物・アルコール関連障害』中山書店〈臨床精神医学講座8〉、1999年6月、115-116頁。ISBN 978-4521492018。 
  3. ^ 厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課『病院・診療所における向精神薬取扱いの手引 (pdf)』(レポート)、2012年2月。OCLC 67091696。2013年3月10日閲覧

関連項目

1,4-ベンゾジアゼピン
1,5-ベンゾジアゼピン
2,3-ベンゾジアゼピン*
トリアゾロベンゾジアゼピン
イミダゾベンゾジアゼピン
オキサゾロベンゾジアゼピン
チエノジアゼピン
ピリドジアゼピン
  • Lopirazepam
  • Zapizolam
ピラゾロジアゼピン
  • Razobazam *
  • Ripazepam
  • Zolazepam
  • Zomebazam
  • Zometapine *
ピロロジアゼピン
  • Premazepam
テトラヒドロイソキノベンゾジアゼピン
  • Clazolam
ベンゾジアゼピン・プロドラッグ

* 非定型活性プロフィール(GABAA 受容体リガンドではない)

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