ハーディ・リトルウッド予想

ハーディ・リトルウッド予想(ハーディ・リトルウッドよそう)とは、ハーディ(G.H.Hardy, 1877年 - 1947年)とリトルウッド(J.E.Littlewood, 1885年 - 1977年)によって述べられた予想で、主に多項式によって表される素数の分布に関する定量的な予想である。加法的整数論に大きな進歩をもたらした1920年代の一連の論文“Some problems of partitio numerorum”(「分割の諸問題」)の中のゴールドバッハの問題を扱った第三論文の付録に15個もの予想が載せられているが、それらを総称してハーディ・リトルウッド予想と呼ぶ。その一つである双子素数の分布公式もまだ証明されていない。またそれらの分布公式中の特別な定数たちはすべてひっくるめてハーディ・リトルウッド定数と呼ばれることが多い。

彼らはこの予想について発見的な議論といくつかの数値的な証拠しか与えなかったが、現在までに得られている数値的証拠とも非常によく一致している。この予想は最初は解析的に導かれたものだったが、今では初等的に導くことができるいくつかの発見的議論が知られている。しかし、リーマン予想などの素数分布の他の大予想との関連もまだ十分には明かされていない。

具体例

差が 2k(>0) であるような二つの素数の組の、x 以下の数の漸近公式は、

2 C x ( log x ) 2 p | k , p > 2 p 1 p 2 {\displaystyle 2C{\frac {x}{(\log x)^{2}}}\prod _{p|k,p>2}{\frac {p-1}{p-2}}}

で与えられる。ここで、定数Cは次のような無限積で定義される。

C = p > 2 ( 1 1 ( p 1 ) 2 ) = 0.6601... {\displaystyle C=\prod _{p>2}(1-{\frac {1}{(p-1)^{2}}})=0.6601...}

この定数Cも「ハーディ・リトルウッド定数」の一つである。