リポイド過形成症

曖昧さ回避 プラダー症候群」及び「プラダー病」はこの項目へ転送されています。同じ人物がハインリッヒ・ウィリーと共に1956年に報告した筋緊張低下、性腺発育不全、知的障害、肥満を四徴とする症候群については「プラダー・ウィリー症候群」をご覧ください。

リポイド過形成症(リポイドかけいせいしょう)は副腎酵素欠損症の一つ。副腎及び性腺において、ステロイドの合成過程に異常が有るためにほぼすべてのステロイドホルモンが合成できない疾患である[1]。Prader病とも呼ばれる。「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究」班による副腎ホルモン産生異常症の全国疫学調査(1999年)によると日本の先天性副腎過形成症の5.5%が本症である[2]

歴史

アンドレア・プラダー(英語: Andrea Praderらにより1955年に行われた報告[3]が本疾患の最初の報告である[2]。日本では1963年に大西により症例報告がされている[4]

原因

Steroidogenic acute regualtory protein(StAR)と呼ばれるタンパク質の異常やコレステロール側鎖切断酵素(P450scc)の異常が原因として報告されているが、この2種類以外の原因もあると考えられている[2]

診断・症状

副腎不全、皮膚色素沈着。性表現型は男女ともにほぼ女性型である。コルチゾールコルチゾンアルドステロンテストステロンデスオキシコルチコステロンデヒドロエピアンドロステロンエストラジオールエストリオールエストロンゲスターゲンプロゲステロンが欠乏する。

脚注

  1. ^ 藤枝憲二、柳瀬敏彦. “副腎ホルモン産生異常をきたす代表的疾患 > III.副腎酵素欠損症 > 1.リポイド過形成症(Prader病)”. 厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服に関する研究事業「副腎ホルモン産生異常に関する調査研究」. 2014年4月20日閲覧。
  2. ^ a b c 藤枝憲二「特集:内科-100年のあゆみ(内分泌・代謝) Ⅲ.主要疾患の歴史 3.副腎皮質機能異常症」『日本内科学会雑誌』第91巻第4号、日本内科学会、2002年4月10日、1172-1178頁、doi:10.2169/naika.91.1172、ISSN 0021-5384、NAID 10008547629、JOI:JST.Journalarchive/naika1913/91.1172。 
  3. ^ A. Prader, H. P. Gurtner (1955-08). “Das Syndrom des Pseudohermaphroditismus masculinus bei kongenitaler Nebennierenrindenhyperplasie ohne Androgenüberproduktion (adrenaler Pseudohermaphroditismus musculinus).(English:The syndrome of male pseudohermaphrodism in congenital adrenocortical hyperplasia without overproduction of androgens (adrenal male pseudohermaphrodism))” (German). Helvetica paediatrica acta (Basel, Switzerland) 10 (4): 397-412. ISSN 0018-022X. PMID 13285832. 
  4. ^ 大西鐘寿「新生児に見られた稀有なる先天性副腎リポイド増生症の一例(Prader-Syndrom)」『先天異常 : 日本先天異常学会会報』第3巻第1号、日本先天異常学会、1963年12月25日、75頁、ISSN 0037-2285、NAID 110002728457。 

関連項目

外部リンク

  • 1.リポイド過形成症(Prader病) - 厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服に関する調査研究 副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
  • 先天性副腎皮質酵素欠損症 先天性リポイド過形成症(指定難病81) - 難病情報センター