三菱ふそうトラック・バス

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三菱ふそうトラック・バス株式会社
Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corporation
川崎市中原区の本社
川崎市中原区の本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 三菱ふそう、ふそう、FUSO、MFTBC
本社所在地 日本の旗 日本
212-0058
神奈川県川崎市中原区大倉町10番地
北緯35度33分29秒 東経139度39分53秒 / 北緯35.55806度 東経139.66472度 / 35.55806; 139.66472座標: 北緯35度33分29秒 東経139度39分53秒 / 北緯35.55806度 東経139.66472度 / 35.55806; 139.66472
設立 2003年平成15年)1月6日
業種 輸送用機器
法人番号 7020001078696 ウィキデータを編集
事業内容 商用車トラック・バス)、産業用エンジンの製造
代表者
  • 会長 松永 和夫
  • 社長/CEO カール・デッペン
  • 代表取締役副社長・CFO ヘタル・ラリギ
資本金 350億円
売上高 8329億2800万円
(2023年12月期)[1]
営業利益 365億2600万円
(2023年12月期)[1]
経常利益 399億9400万円
(2023年12月期)[1]
純利益 299億3100万円
(2023年12月期)[1]
純資産 2589億7800万円
(2023年12月期)[1]
総資産 5790億9400万円
(2023年12月期)[1]
従業員数 約10,000人
主要株主
主要子会社 三菱ふそうバス製造
外部リンク www.mitsubishi-fuso.com ウィキデータを編集
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三菱ふそうトラック・バス株式会社(みつびしふそうトラック・バス)は、商用車トラック・バス等)および産業用エンジンの製造会社である。

2000年、三菱自動車がトラック・バス事業をABボルボとの提携[注釈 1]により社内カンパニー三菱ふそうトラック・バスカンパニーを設立。2001年、提携パートナーがダイムラー・クライスラー(現・ダイムラー・トラック)に変更され、2003年に独立会社三菱ふそうトラック・バス株式会社として設立した。2005年までに三菱自動車は所有する全株式をダイムラー・クライスラーと三菱グループ会社に売却・譲渡し、資本関係は解消された。

会社概要

ドイツのダイムラー・トラックの傘下である。三菱グループ各社とも資本関係を含めた一定の関係を維持しており、三菱金曜会[2] 及び三菱広報委員会[3] の会員企業である[4][5]。競合するいすゞ自動車日野自動車と異なり、2021年時点でも非上場である。兵庫県尼崎市に本社を置く産業機械メーカーのFUSO株式会社とは社名が似ているが一切無関係である。

社名の由来

社名の「ふそう」は、1932年当時三菱重工業(初代)の前身である三菱造船にて、大型車事業を開始したときに社内公募により決定されたもので、日本の別称「扶桑」に由来する。

なお、自動車検査証における車名は分社化前と同じく「三菱」だが、車名コードは三菱自工が「313」なのに対して、2016年以降に型式指定を受けた車両は「318」として区分される。なお、過去には車名が「ふそう(272)」となっていたこともあった。

代表者

  • 代表取締役会長 松永和夫
  • 代表取締役社長・CEO カール・デッペン
  • 代表取締役副社長・CFO・財務管理本部長 ヘタル・ラリギ

株主構成

沿革

三菱造船

  • 1917年 - 三菱合資会社から造船業の一切を引き継いだ三菱造船が設立される。
  • 1918年 - 三菱の自動車生産の先駆けとなる「三菱A型乗用車」が誕生。
  • 1932年 - 三菱造船神戸造船所でB46型ガソリンバス完成、「ふそう」と命名。

三菱重工業(三菱日本重工業)

三菱自動車工業

  • 1970年6月1日 - 三菱自動車工業として独立。社内での大型部門の略称は「ト・バ」(トラック・バス)であった。
  • 1973年 - 大型トラック・Fシリーズ発売開始。
  • 1976年 - 中型トラック・FKシリーズ発売開始。
  • 1982年 - 大型観光バス・エアロバス発売開始。
  • 2000年 - 組織的なリコール隠しが発覚。乗用車部門は市場の信頼を失い、販売台数が大幅に低下したが、トラック・バス部門は販売面での影響をほとんど受けず、2002年度時点でも10年連続国内市場シェアトップを獲得していた[6][注釈 2]。詳細は三菱リコール隠しを参照。

三菱ふそうトラック・バス

事件・不祥事

独占禁止法に基づく社名公表

2024年3月15日、公正取引委員会は「下請け企業との価格転嫁の交渉に適切に応じなかった企業名の公表」を行い、三菱ふそうトラック・バスが該当企業であったことが判明した[19][20][21]

開発・生産拠点

現在の本社
K1地区
K2地区
写真中央奥に喜連川研究所のテストコースがある。矢板市上空よりさくら市方向を望む。
小型・大型トラックは上記住所の地区(通称K1地区)、中型トラックは同区西加瀬地区(通称K2地区)にて製造されていたが、K2地区については工場機能の再編整備に伴い大和ハウス工業に売却された[22]。なおK2地区は荏原製作所川崎工場であった。

グループ会社

  • ふそうテクニカルサービス株式会社(本社:神奈川県川崎市中原区)
    • 三菱ふそう生産技術・ラインメンテナンス関連業務請負
    • 三菱自動車・三菱ふそう社内のインハウス旅行代理業
    • 不動産仲介業 その他

2016年現在、三菱ふそう生産技術・ラインメンテナンス関連業務請負部門は、三菱ふそうトラック・バス株式会社本体に人員とも吸収されている。

  • 株式会社ふそうテック(本社:神奈川県愛甲郡愛川町)
    • トラック・バス特装事業
    • オプション事業
    • 試作事業
  • 株式会社パブコ(本社:神奈川県海老名市
    • トラック荷台製造
    • 三菱ふそうトラックのキャビン周りアフターパーツ供給
  • Mitsubishi Fuso Truck Europe(本社:ポルトガル
    • 欧州向け小型トラック(キャンター)を製造する欧州中核拠点
  • Mitsubishi Fuso Truck Thailand(本社:タイバンコク
    • アジア向け小型トラック(キャンター)を製造するアジア中核拠点

現行車種一覧

トラック

スーパーグレートFU

バス

エアロクィーン
エアロスター
ローザ

2007年からUDトラックス(旧・日産ディーゼル工業、以下UD)とバス製造事業において業務提携を行い、両社間で部品単位や完成品単位でのOEM供給が行われた。さらに2009年8月よりUDとバス事業の統合に向け協議が進められていたが、その間にUD側で製造してきた西日本車体工業が2010年8月をもってバス製造事業を終えたため、2010年9月以降UDのバスは三菱ふそうからのOEM車種のみになった。さらに、同年10月29日に統合に関する協議を打ち切り、これまで通り三菱ふそうでの事業続行とUDへのOEM供給の終了が発表された[10][11]。UD側は2012年に国内でのバス事業を終了した。

バン

産業用エンジン

  • Mシリーズ(排気量2.8〜7.5L、4・6気筒)
  • D3シリーズ(排気量3.6〜5.9L、4・6気筒)
  • D1シリーズ(排気量7.5L、6気筒)
  • D2シリーズ(排気量11.9L、6気筒)
  • DCシリーズ(排気量16L、8気筒)

絶版車種一覧

生産年次順に記載。

トラック

バス

エアロバス
エアロキング
エアロクイーン(2代目) と エアロクイーン(3代目)

特記がない限り、路線バス・観光バス双方の製造。

その他

  • クレーン車専用シャーシ
    • Kシリーズ
    • ローボーイ

海外向けトラックブランド

販売会社

連結統合

  • 2006年3月1日付で、ふそう系販売会社36社のうち連結子会社販売会社である26社を統合して「26の会社」という扱いから「26の部門」という扱いになった。これによりふそう系販売会社は地域販売部門26部門と、地元資本会社10社の2つのグループに大別されるようになった(地元資本会社10社の内、函館ふそう、神奈川ふそう、岡山ふそうの3社は三菱ふそうトラック・バス株式会社の持分法適用会社である)。
統合された26社は三菱ふそうトラック・バス本社の国内販売本部長直下の組織とされ、名称は「三菱ふそうトラック・バス ○○ふそう」に統一変更された(○○には旧社名の頭文字に含まれていた地域名が入る)。
  • 2007年8月1日付で更に組織改編が行われ、地域販売部門は26から11に集約された(地元資本会社10社との関係は従来通り)。
  • 2021年に四国機器のふそうディーラー事業(香川・徳島)と三菱ふそうトラック・バス本体が統括する西四国ふそう(愛媛・高知)を統合し、四国4県を販売エリアとする「四国三菱ふそう販売株式会社」を四国機器95%、三菱ふそうトラック・バス5%の出資比率で設立、同年10月1日に事業を開始[23][24]

販売会社一覧

  • 三菱ふそうトラック・バス
    • 北海道ふそう (札幌・旭川・室蘭・釧路・帯広・北見)
    • 東北ふそう (宮城・仙台・福島・いわき・会津(旧宮城ふそう・福島ふそう))
    • 北関東ふそう (水戸・土浦・つくば・宇都宮・とちぎ・那須・群馬(旧茨城ふそう、栃木ふそう、群馬ふそう))
    • 南関東ふそう (浦和・川越・所沢・深谷・春日部・八潮・北本・栗橋・秩父・千葉・市川・柏・袖ヶ浦・茂原・成田・品川・板橋・足立・江東・大田・八王子・西多摩(旧埼玉ふそう、千葉ふそう、東京ふそう))
    • 甲信ふそう (山梨・長野・松本・諏訪(旧山梨ふそう、長野ふそう))
    • 東海ふそう (静岡・浜松・沼津・伊豆・岐阜・飛騨・名古屋・尾張小牧・春日井・一宮・三河・豊田・岡崎・三重・四日市・鈴鹿・伊勢志摩(旧静岡ふそう、名古屋ふそう、三重ふそう))
    • 北陸ふそう (富山・石川・福井(旧富山ふそう、石川ふそう、福井ふそう))
    • 近畿ふそう (滋賀・京都・大阪・なにわ・和泉・堺・奈良・神戸・姫路(旧京滋ふそう、大阪ふそう、兵庫ふそう))
    • 中国ふそう (広島・福山・鳥取・島根・山口・下関(旧広島ふそう、山陰ふそう、山口ふそう))
    • 九州ふそう (福岡・北九州・久留米・筑豊・佐賀・大分・長崎・佐世保・熊本・宮崎・鹿児島(旧九州ふそう、長崎ふそう、熊本ふそう、南九州ふそう))
  • 函館三菱ふそう自動車販売(函館)
  • 青森三菱ふそう自動車販売(青森・八戸・弘前・十和田・五所川原・むつ)
  • 岩手三菱ふそう自動車販売(盛岡・盛岡南・花北・水沢・一関・県北・久慈・宮古・釜石・大船渡)
  • 太平興業(秋田・能代・横手・大館・山形・米沢・鶴岡・荘内・新潟・長岡・三条・新発田・上越・佐渡・魚沼):本社は東京都千代田区丸の内

大型自動車の独立資本系販売会社としては日本最大である。

かつてはふそう系販売会社でメルセデス・ベンツトラック、及びトランスポーターを販売していた。2016年現在ではサービス(修理・整備・部品販売)を受け付けている。なお、メルセデス・ベンツ製のシターロ連節バスは現在もふそう系販売会社が取り扱う。

提供番組

テレビ
ラジオ

※スポンサー降板した番組、三菱自動車工業が「三菱ふそう」ブランドで提供していた番組(●印)を含む。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ なお、ボルボは後の2006年に日産ディーゼル工業(UDトラックス)と業務提携、翌2007年には完全子会社化した。2019年にはUDトラックスをいすゞ自動車に譲渡したうえで同社と提携した。
  2. ^ また、2004年3月発行のエアロスター 大型 路線用/自家用バスのカタログ3ページでも「MITSUBISHI FUSO BUS is No.1 ※1975年以来、バス国内新規登録台数第1位。」との記載がある。
  3. ^ 発売当初はニューエアロスターの呼称が用いられていた。

出典

  1. ^ a b c d e f 三菱ふそうトラック・バス株式会社 令和5年度決算公告
  2. ^ “三菱金曜会”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  3. ^ “三菱広報委員会の活動”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  4. ^ “三菱グループに「落ちこぼれ企業」続出、最強エリート集団の大ピンチ”. 週刊ダイヤモンド公式サイト. 2021年7月15日閲覧。
  5. ^ “三菱広報委員会の加盟会社”. 三菱グループホームページ. 2020年12月6日閲覧。
  6. ^ 三菱ふそう アジア市場での首位を固めるためのロードマップ戦略を展開 - 三菱ふそうトラック・バス 2003年6月18日(ウェブアーカイブ)
  7. ^ 「三菱ふそう新型エアロスターノンステップ」『バスラマ・インターナショナル』第113号、ぽると出版、2009年5月、pp. 12-18。 
  8. ^ “日産ディーゼルと三菱ふそう、バス事業における協力を拡大”. 三菱ふそうトラック・バス (2009年8月31日). 2013年7月31日閲覧。
  9. ^ “日産ディーゼルと三菱ふそう、バス事業における協力を拡大”. 日産ディーゼル工業 (2009年8月31日). 2013年7月31日閲覧。
  10. ^ a b “UDトラックス社とのバス事業に関する合弁会社の設立協議交渉終了について”. 三菱ふそうトラック・バス (2010年10月29日). 2013年7月31日閲覧。
  11. ^ a b “バス事業に関する合弁会社の設立協議打ち切りのお知らせ”. UDトラックス (2010年10月29日). 2013年7月31日閲覧。
  12. ^ プレスリリース 増資の実施について
  13. ^ 三菱ふそうと日産、OEM 供給で基本合意 - 三菱ふそうトラック・バス ニュースリリース(2012年6月29日)
  14. ^ “三菱ふそう 「FUSO」ブランド アジア・アフリカ向け戦略車を発表”. 三菱ふそうトラック・バス (2013年5月23日). 2013年7月31日閲覧。
  15. ^ 『MITSUBISHI FUSO TRUCK OF AMERICA, INC. ANNOUNCES STRATEGIC SHIFT FOR U.S. AND CANADIAN MARKETS』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス、2020年5月27日。https://www.mitfuso.com/en-us/news-and-events/mitsubishi-fuso-truck-of-america-inc-announces-strategic-shift-for-us-and-canadian-markets2020年5月29日閲覧 
  16. ^ 『北米市場の事業形態変更について』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス、2020年5月28日。https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news/2020/05/28/%e5%8c%97%e7%b1%b3%e5%b8%82%e5%a0%b4%e3%81%ae%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e5%bd%a2%e6%85%8b%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/2020年5月29日閲覧 
  17. ^ “独ダイムラー・トラック、米で中型EVトラックブランド立ち上げ”. 2023年4月28日閲覧。
  18. ^ 『ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結』(プレスリリース)ダイムラー・トラック、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、トヨタ自動車、2023年5月30日。https://www.mitsubishi-fuso.com/ja/news-main/press-release/2023/05/30/ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびト/2023年5月30日閲覧 
  19. ^ 下請けの“価格転嫁応じず”10社を公表 公取委
  20. ^ ダイハツ・京セラなど10社公表 下請けの価格転嫁応じず―公取委:時事ドットコム
  21. ^ ダイハツ、京セラなど「協議経ず価格据え置いた」 公取委が社名公表:朝日新聞デジタル
  22. ^ “西加瀬地区のまちづくり”. 川崎市 (2019年11月27日). 2020年5月17日閲覧。
  23. ^ “販売会社「四国ふそう(仮称)」設立を決定”. 三菱ふそうトラック・バス. 2021年6月13日閲覧。
  24. ^ “三菱ふそうトラック、バスを四国4県に販売する新会社「四国ふそう(仮称)」設立を決定”. 四国機器. 2021年6月13日閲覧。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、三菱ふそうトラック・バスに関連するカテゴリがあります。
オープンストリートマップのロゴ
オープンストリートマップに三菱ふそうトラック・バスの地図があります。
  • 三菱ふそうトラック・バス株式会社 - 公式ウェブサイト
  • RIZON (英語)
三菱ふそうトラック・バス製のバス車種
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