魅惑の巴里

魅惑の巴里
Les Girls
監督 ジョージ・キューカー
脚本 ジョン・パトリック
原案 ヴェラ・キャスパリー(英語版)
製作 ソル・C・シーゲル[1]
出演者 ジーン・ケリー
ミッツィ・ゲイナー
ケイ・ケンドール
タイナ・エルグ(英語版)
音楽 コール・ポーター[2]
アドルフ・ドイッチェ(編曲・指揮)[2]
ソウル・チャップリン[1]
撮影 ロバート・サーティース
編集 フェリス・ウェブスター
製作会社 ソル・C・シーゲル・プロダクションズ
MGM
配給 MGM
公開 アメリカ合衆国の旗 1957年10月3日
日本の旗 1958年4月6日
上映時間 114分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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魅惑の巴里』(みわくのパリ、Les Girls)は1957年アメリカ合衆国ミュージカルコメディ映画。 監督はジョージ・キューカー、出演はジーン・ケリーミッツィ・ゲイナーなど。

第15回(1957年)ゴールデングローブ賞で作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)と主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)(ケイ・ケンドール)を受賞した他、第30回アカデミー賞ではデザイン賞オーリー=ケリー(英語版))を受賞した。

黒澤明の映画『羅生門』(1950年)と同様に、一連の事象が複数の登場人物それぞれの視点で語られる形式である[3]

ストーリー

元踊り子で現在はジェラルド・レン卿の夫人となったシビルが、かつての仲間だった元踊り子アンジェルに名誉毀損で訴えられる。理由は、シビルが自分の踊り子時代を綴った暴露本に、アンジェルについて事実無根の内容が書かれているからというもの。裁判でシビルとアンジェルの主張は真っ向から対立する。シビルは、アンジェルが現在の夫ピエールと婚約中だったにもかかわらず、座長でダンサーだったバリーと恋仲になり、三角関係のもつれでガス自殺を図ったと主張。一方アンジェルは、バリーと恋仲だったのはシビルであり、ガス自殺を図ったのもシビルであると主張する。

そんな中、3人目の証人としてバリーが現れ、シビルの主張もアンジェルの主張もどちらも正確ではないとし、シビルと結婚したいレン卿と、アンジェルと結婚したいピエールと3人で結託していた事実を明らかにする。それはバリーが重い心臓病を患っているふりをすることで、かねてより想いを寄せていた踊り子ジョイの気を引き、一方シビルとアンジェルに対しては、重い病のバリーを休ませるためという理由で一座を彼女たちの意思で自発的に解散させることで、結婚に至らせようというものだった。まんまと騙された3人とバリーの4人はサヨナラパーティを開く。そしてバリーは首尾よくジョイを自分の部屋に連れ込んで2人切りになるが、なかなか自分になびかないジョイに病気のふりをしていた事実をしゃべってしまう。怒って出て行くジョイを追って、パーティをした部屋に戻ると、そこにはガス管が外れたために中毒になったシビルとアンジェルが倒れていた。2人を病院に連れて行き、そのまま別れたが、そのことで2人がどちらも相手が自殺を図ったのだと思い込んだのだろうとバリーは証言する。

裁判はアンジェル側の告訴取り下げで終了し、シビルとアンジェルは仲直りをする。そんな2人を横目に帰途に着くバリーが乗り込んだ車にはバリーの妻となったジョイがいた。しかし、ジョイは一連の裁判で明かされたシビルとアンジェルの話があながち嘘ではないのではないかとバリーを冗談めかして責める。三者三様の物語の何が真実かは当人のみぞ知る。

登場人物

  • バリー・ニコルズ: ジーン・ケリー - 踊り子一座「レ・ガールズ」の座長。振付師兼ダンサー。
  • ジョーン(ジョイ)・ヘンダーソン: ミッツィ・ゲイナー -「レ・ガールズ」の踊り子。アメリカ人。
  • シビル・レン: ケイ・ケンドール -「レ・ガールズ」の踊り子。イギリス人。
  • アンジェル・デュクロ: タイナ・エルグ(英語版) -「レ・ガールズ」の踊り子。フランス人。
  • ピエール・デュクロ: ジャック・ベルジュラク(英語版) - アンジェルの夫。
  • ジェラルド・レン卿: レスリー・フィリップス - シビルの夫。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
NHK 日本テレビ
バリー ジーン・ケリー 愛川欽也 青野武
ジョイ ミッツィ・ゲイナー 里見京子 島本須美
シビル ケイ・ケンドール 伊藤幸子 高畑淳子
アンジェル タイナ・エルグ(英語版) 弓恵子 一城みゆ希
ピエール ジャック・ベルジュラク(英語版) 羽佐間道夫
ジェラルド卿 レスリー・フィリップス 久松保夫
  • NHK版:初回放送1970年4月29日 13:25-15:20[4]
  • 日本テレビ版:初回放送1990年1月3日『新春映画劇場』1:00-3:20 ※ノーカット[要出典]

作品の評価

Rotten Tomatoesによれば、8件の評論の全てが高評価で平均点は10点満点中7.4点となっている[5]

出典

  1. ^ a b クレジットなし。“Les Girls (1957) - Full Cast & Crew” (英語). IMDb. 2013年1月22日閲覧。
  2. ^ a b “魅惑の巴里”. KINENOTE. 2013年1月22日閲覧。
  3. ^ “Les Girls (1957) - Plot Summary” (英語). IMDb. 2013年2月21日閲覧。
  4. ^ “番組表検索結果詳細”. NHKクロニクル. 2020年7月25日閲覧。
  5. ^ “Les Girls (1957)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年2月15日閲覧。

外部リンク

ゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ作品賞
1951–1960
1961–1980
1981–2000
2001–2020
2021–2040
1930年代
  • Grumpy(1930)
  • 戦争と貞操(英語版)(1930)
  • 名門芸術(英語版)(1930)
  • 心を汚されし女(英語版)(1931)
  • 街のをんな(英語版)(1931)
  • 栄光のハリウッド(1932)
  • 愛の嗚咽(1932)
  • 女優と真実(英語版)(1932)
  • Our Betters(1933)
  • 晩餐八時(1933)
  • 若草物語(1933)
  • 孤児ダビド物語(1935)
  • 男装(1935)
  • ロミオとジュリエット(1936)
  • 椿姫(1936)
  • 素晴らしき休日(1938)
  • 舞姫ザザ(英語版)(1938)
  • ザ・ウィメン(1939)
1940年代
1950年代
  • A Life of Her Own(1950)
  • ボーン・イエスタデイ(1950)
  • The Model and the Marriage Broker(1951)
  • The Marrying Kind(1952)
  • パットとマイク(英語版)(1952)
  • The Actress(1953)
  • 有名になる方法教えます(英語版)(1954)
  • スタア誕生(1954)
  • ボワニー分岐点(1956)
  • 魅惑の巴里(1957)
  • 野性の息吹き(英語版)(1957)
1960年代
  • 西部に賭ける女(1960)
  • 恋をしましょう(1960)
  • 女房は生きていた(1962)
  • チャップマン報告(英語版)(1962)
  • マイ・フェア・レディ(1964)
  • アレキサンドリア物語(1969)
1970年代
  • Travels with My Aunt(1972)
  • 恋の旅路(英語版)(1975)
  • 青い鳥(1976)
  • The Corn is Green(1979)
1980年代
  • ベストフレンズ(英語版)(1981)
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