キルヒホッフの法則 (電気回路)

曖昧さ回避 この項目では、電気回路におけるキルヒホッフの法則について説明しています。
  • 放射エネルギーのキルヒホッフの法則については「キルヒホッフの法則 (放射エネルギー)」をご覧ください。
  • 反応熱のキルヒホッフの法則については「キルヒホッフの法則 (反応熱)」をご覧ください。

電気回路におけるキルヒホッフの法則(キルヒホッフのほうそく、: Kirchhoff’s laws)は、次の2つの法則からなる[1][2]

電流則(キルヒホッフの第1法則、Kirchhoff's current lawKCL
回路網中の任意の接続点に流出入する電流の和は 0(零)である
電圧則(キルヒホッフの第2法則、Kirchhoff's voltage lawKVL
回路網中の任意の閉路を一巡するとき、起電力の総和と電圧降下の総和は等しい

それぞれ「流れ込む電流の和と流れ出る電流の和の大きさは等しい」と「電圧降下の総和がゼロである」と表現されることもある。1845年にグスタフ・キルヒホフが発見した。

電流則

キルヒホッフ第一法則の例 図のように「中心の点に流れ込む電流 i1i2 の総和が、流れ出る電流 i3i4 の総和に等しくなる」と解釈できることから、一種の保存則として「電流保存の法則」と呼ばれることもある。

回路網の任意の接続点に流入・流出する電流の総和(代数的和)は 0 であることを示す。

接続点に接続される経路数を N {\displaystyle N} 、ぞれぞれの経路における電流値を I k {\displaystyle I_{k}} とすると次式で与えられる[1][2]

k = 1 N I k = 0 {\displaystyle \sum _{k=1}^{N}I_{k}=0}

ただし、接続点に流入する電流と、流出する電流では、符号を反転して計算する。

電圧則

回路網中の任意の閉路において、一巡する経路に含まれる起電力(電源)の総和と電圧降下の総和は等しい。

経路に含まれる起電力の数を N {\displaystyle N} 、それぞれの電圧を V k {\displaystyle V_{k}} 、インピーダンスを持つ素子数を M {\displaystyle M} 、それぞれの素子による電圧降下を E k {\displaystyle E_{k}} とすると次式で与えられる[1][2]

k = 1 N V k = k = 1 M E k {\displaystyle \sum _{k=1}^{N}V_{k}=\sum _{k=1}^{M}E_{k}}

ただし、一巡する方向に対して一致する方向の電位差と、逆の方向の電位差では、符号を反転して計算する。

脚注

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出典

  1. ^ a b c 平山博 2008, pp. 2–3.
  2. ^ a b c 末崎輝雄 1999, pp. 38–39.

参考文献

  • 平山博、大附辰夫『電気回路論』(3版)オーム社、2008年。ISBN 978-4-88686-265-5。 
  • 末崎輝雄、天野弘『電気回路理論』コロナ社、1999年。ISBN 4-339-00169-4。 

関連項目

基本
静電気学
静磁気学
電気力学
電気回路
共変定式
人物
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