ホンダ・RA106

ホンダ・RA106
BAR 008
カテゴリー F1
コンストラクター ホンダ
デザイナー ジェフ・ウィリス
先代 ホンダ・RA302[1]
B・A・R 007
後継 ホンダ・RA107
主要諸元
シャシー カーボンモノコック
サスペンション(前) プッシュロッド トーションバー ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後) プッシュロッド トーションバー ダブルウィッシュボーン
全長 4,675 mm
全幅 1,800 mm
全高 950 mm
トレッド 前:1,460 mm / 後:1,420 mm
ホイールベース 3,145 mm
エンジン ホンダ RA806E 2,400 cc 90度 V8 NA ミッドシップ
トランスミッション ホンダ 7速 セミAT
燃料 エルフ
オイル ENEOS
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム ラッキーストライク・ホンダレーシングF1チーム
ドライバー ブラジルの旗 ルーベンス・バリチェロ
イギリスの旗 ジェンソン・バトン
出走時期 2006年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
通算獲得ポイント 86
初戦 2006年バーレーングランプリ
初勝利 2006年ハンガリーグランプリ
最終戦 2006年ブラジルグランプリ
出走優勝表彰台ポールFラップ
181310
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ホンダ・RA106ホンダ2006年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーである。ジェフ・ウィリスが設計した。参戦ドライバーはルーベンス・バリチェロジェンソン・バトン

概要

ホンダがB・A・Rの全株式を取得たことでシャシー銘柄と形番が改められ、"RA"(レーシング・オートモービル)という呼び名が復活した。「コンストラクター」ホンダとしては、F1第1期活動最後のRA3021968年)以来の実戦用マシンである[2]

RA106の発表会は2006年1月25日にスペインバルセロナカタロニア・サーキットで行われた[3][4]

ジェフ・ウィリスの設計ではサイドポッド後部に複雑なフィンを重ねる空力パッケージを特徴にしていたが、RA106ではチムニーダクトを排熱に利用するデザインに変更された。また、フロントサスペンションも、一般的であったシングルキール式からゼロキール式に変更された。

現在はツインリンクもてぎ内にあるホンダコレクションホールに12号車が1台動態保存されており、イベントなどで走行したりしている。

実質的な先代であるB・A・R 007に引き続き、ホンダ製のシームレスシフトギヤボックスを搭載する。1速から7速までの全段でシームレスシフトを可能とした「QS2」を搭載して開幕を迎えたが、第9戦カナダGPからはダウンシフト時の変速時間が短縮された「QS3」を投入した[5][6]

2006年シーズン

シーズンだが、バトンが好スタートを切り、第3戦オーストラリアGPでは予選でバトンがポールポジションを獲得する。しかし、タイヤが思うように温まらずにセーフティーカー走行後のローリングスタートで後続に追い抜かれ、チェッカー直前でエンジンブローをしてしまった。ここから不調に陥り、どちらかは入賞するものの、上位を争えない展開が続く。序盤のバトンの好走は、気候や他チームの出遅れに助けられたものであった。

前半戦の成績不振から脱出するため、ホンダは中本修平をシニア・テクニカル・ディレクターに任命。第12戦ドイツGPごろからマシンの調子が上がり始め、続く第13戦ハンガリーGPでは上位勢の脱落も味方して、バトンがF1初優勝を達成。ホンダも1967年イタリアGP以来となるコンストラクター3勝目を獲得した。バトンの終盤6戦の獲得ポイントは、この年の王者フェルナンド・アロンソミハエル・シューマッハよりも多かった。

スペック

2006年のアメリカGPインディアナポリスを走行するRA106(ドライバーはルーベンス・バリチェロ
2006年最終戦のブラジルGPインテルラゴスを走行するRA106(ドライバーはジェンソン・バトン)。このGPでBATのスポンサードが終了するため、特別カラーリングが施された。

シャーシ

エンジン

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ポイント ランキング
BHR
バーレーンの旗
MAL
マラヤ連邦の旗
AUS
オーストラリアの旗
SMR
サンマリノの旗
EUR
欧州連合の旗
ESP
スペインの旗
MON
モナコの旗
GBR
イギリスの旗
CAN
カナダの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
FRA
フランスの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
TUR
トルコの旗
ITA
イタリアの旗
CHN
中華人民共和国の旗
JPN
日本の旗
BRA
ブラジルの旗
2006 11 ブラジルの旗バリチェロ 15 10 7 10 5 7 4 10 Ret 6 Ret Ret 4 8 6 6 12 7 86 4位
12 イギリスの旗バトン 4 3 10 7 Ret 6 11 Ret 9 Ret Ret 4 1 4 5 4 4 3

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「F1で実戦を走行した『コンストラクターとしてのホンダF1』の開発順」としての先代。「『コンストラクターとしてのホンダF1』のRA106以前の最後のF1レース」を走行したのはホンダ・RA301、「テストのみ走行したF1マシン」を含めるとホンダ・RA099、「『買収・コンストラクター名変更』前の同じ組織(B・A・R)が製作した先代マシン」であればB・A・R 007と、「先代」の定義によってブレがあることに留意
  2. ^ 活動休止期間中にRA099を始めとするテストカーを試作したことはある。
  3. ^ “【ホンダF1】2006年チャレンジャー「RA106」発表”. Response. (2006年1月26日). http://response.jp/article/2006/01/26/78719.html 2011年6月16日閲覧。 
  4. ^ “Honda、ニューマシン“RA106”を正式発表”. carview. (2006年1月25日). http://www.carview.co.jp/news/4/8393/ 2011年6月16日閲覧。 
  5. ^ 『週刊オートスポーツ』2011年9月8日号、三栄書房、p.32
  6. ^ 『週刊オートスポーツ』2011年9月8日号、三栄書房、p.35

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、ホンダ・RA106に関連するカテゴリがあります。
  • RA106カタログ詳細情報(Honda公式サイト)
日本の旗 ホンダF1
第五期
2026年 -
パワーユニット供給
主な関係者

(TBD)

第五期



供給先
関連組織
HRC
2022年 - 2025年
パワーユニット供給
主な関係者
元関係者
供給先
関連組織
第四期
2015年 - 2021年
パワーユニット供給
主な関係者
第四期
供給先
関連組織
第三期
2006年 - 2008年
ワークスチーム

2000年 - 2008年
エンジン供給
主な関係者
日本の旗 本田技研工業
  • 日本の旗 福井威夫
  • 日本の旗 和田康裕(英語版)
  • 日本の旗 村松慶太(英語版)
日本の旗 本田技術研究所
イギリスの旗 HRD※1
イギリスの旗 HRF1※1
第三期


ドライバー
テスト/リザーブドライバー:
車両
主なスポンサー
エンジン供給先
関連組織
HRD
1998年 - 1999年
試作・試走のみ
主な関係者
車両
関連組織
無限ホンダ
1992年 - 2000年
エンジン供給
主な関係者

エンジン
供給先
関連組織
本田技術研究所
1991年 - 1994年
試作・試走のみ
主な関係者
  • 日本の旗 橋本健
  • 日本の旗 瀧敬之介
車両
  • RC1 (RC-F1 1.0X)
  • RC1B (RC-F1 1.5X)
  • RC2 (RC-F1 2.0X)
関連組織
第二期
1983年 - 1992年
エンジン供給
主な関係者
第二期
エンジン
供給先
関連組織
関連項目
第一期
1964年 - 1968年
ワークスチーム
主な関係者
日本の旗 本田技研工業
日本の旗 本田技術研究所
イギリスの旗 ホンダ・レーシング
第一期
ドライバー
テスト/リザーブドライバー:
車両
主なスポンサー
関連組織
関連項目
関連項目
※ 第2期・第3期・第4期の「主な関係者」は、基本的に各部門の「長(ディレクター)」以上にあたる人物のみに絞って記載(多数に及ぶため)。
※ 「関連組織」の( )には略称、[ ]には関連する下部組織を記載。
※1 ホンダ本社の役職者と本田技術研究所の人物を除く(兼務者が多数に及ぶため)。
※2 ホンダ所有のサーキット。第1期と第2期に主要なテストコースとして用いられた。
※3 ホンダ所有の展示施設。第1期から第4期の車両を所蔵(基本的に動態保存)している。