ブルーノ・ファミン

ブルーノ・ファミン
Bruno Famin
生誕 1963年????[1]
フランスの旗 フランス
ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏テリトワール・ド・ベルフォール県ベルフォール[1]
国籍 フランスの旗 フランス
職業 ・アルピーヌ社 副社長(モータースポーツ担当)
アルピーヌF1 暫定チーム代表
・アルピーヌF1 エンジン部門エグゼクティブディレクター
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ブルーノ・ファミン(Bruno Famin, 1963年 - )は、フランス出身の自動車技術者である。フランスの自動車メーカーであるアルピーヌ社でF1用エンジンの開発部門責任者を務めているほか、アルピーヌF1チーム暫定チーム代表を務めている(2023年8月時点)。

経歴

フランス国立高等工芸学校(ENTAM)で工学の学位を取得。卒業後の1987年にフランスの海運会社(SCAC Transport International)に入社し、ナイジェリアでロジスティクス関係の仕事に就いた[2]。同社で2年間働いた後、フランスに戻って国立高等石油・天然ガス学校(英語版)で学んだ[2]

プジョー

1989年にプジョー・タルボ・スポールにエンジニアとして加入し、エンジン・トランスミッション部門の研究開発に携わった後[3]、カスタマーレーシング部門の開発チームの責任者となる[2]。この間、905のシングルシーター仕様である905スパイダー(フランス語版)や、ラリー車両のプジョー・106(グループA)といった車両の開発に携わった[3]

1994年にレース部門を離れ、親会社であるPSA・プジョー・シトロエンに移った[2]。同社ではアルゼンチンに赴任し、同地の工場の車両製造工程などを管理する部門の責任者を務める[2]。その後、2001年にフランスの研究開発部門に移る[2]

プジョー・908 HDi FAPのコンセプトカー(2006年)

2005年にプジョー・スポールに復帰し、開発部門の責任者であるテクニカルディレクターに就任し、この間、特にプジョー・908 HDi FAPの開発プロジェクトをその初期から指揮した[2][3]

2012年にオリビエ・ケネル(英語版)の跡を受けてプジョー・スポール全体の責任者となる[2]。この時期のプジョーは耐久レースへの参戦打ち切り(2011年限り)と908の開発終了によりサーキットレースからは離れていたが、ファミンに率いられたプジョー・スポールは、パイクスピーク・ヒルクライムレースにおける優勝(2013年。ドライバーはセバスチャン・ローブ)、世界ラリークロス選手権におけるチームチャンピオン獲得(2015年(英語版))、ダカール・ラリー優勝(2016年から2018年にかけて連覇)といった様々な実績を残した[2][3]

FIA

2019年初めにプジョー・スポールを離れ、国際自動車連盟(FIA)の競技部門のオペレーションディレクターに就任し[2][3]、2021年には競技部門の副事務総長に就任した[2]

アルピーヌ

2022年2月にフランスのアルピーヌ・レーシング社(Alpine Racing SAS)に移り、パワーユニット開発の責任者(エグゼクティブディレクター)となる[2]。同社は「ルノー」名義でアルピーヌF1チームにパワーユニットを供給している[注釈 1]

2023年7月、アルピーヌの親会社であるルノーはアルピーヌのF1活動における人事の刷新を図り、ファミンにもその影響が及ぶことになる。まず、7月10日にファミンは親会社であるアルピーヌ社のモータースポーツ担当副社長に任命され、同社CEOであるローラン・ロッシ(英語版)の直属となり、同社の経営委員会メンバーに加わることになった[5][6][3]。この人事により、ファミンは同社のあらゆるモータースポーツ分野で指揮を執る立場となる[3]

次いで、7月20日にはロッシがCEOを退任し[5]、7月28日にはチーム代表のオトマー・サフナウアー、スポーティングディレクターのアラン・パーメイン、チーフテクニカルオフィサー(開発部門の責任者)のパット・フライというチームの要職にあった3名が離脱した[7][6]。これに伴い、ファミンはエンジン部門の責任者は兼務したまま、暫定チーム代表に就任することになった[7][6]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ ファミンが加入したアルピーヌ・レーシング社(Alpine Racing SAS)は、フランス・ヴィリー=シャティヨンに所在。かつてのルノー・スポールのエンジン開発部門であり、1970年代からエンジン・パワーユニットの開発を担当している。イギリス・エンストン(英語版)でF1車両の車体を開発しているアルピーヌ・レーシング社(Alpine Racing Ltd.。かつてのベネトンルノーF1チームロータスF1チーム[4])とは法人としては異なる。

出典

  1. ^ a b “Bruno Famin” (英語). OldRacingCars.com (2023年8月5日). 2023年8月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l Bruno Famin. “Bruno Famin” (英語). LinkedIn. 2023年8月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g “VP, ALPINE MOTORSPORTS - Bruno Famin” (英語). Alpine Cars UK. 2023年8月20日閲覧。
  4. ^ “ALPINE RACING LIMITED” (英語). Companies House. 2023年8月20日閲覧。
  5. ^ a b “アルピーヌの体制変更が続く。トップが交代、CEOを務めたロッシが退任”. Auto Sport web. 三栄 (2023年7月21日). 2023年8月20日閲覧。
  6. ^ a b c F1速報 2021年 第12戦 ハンガリーGP & 第13戦 ベルギーGP合併号、「NEWS CLIPBOARD - 上級職3人がチーム離脱」 p.77
  7. ^ a b “アルピーヌF1がサフナウアー代表をはじめとする上級職員3人の離脱を発表。パット・フライはウイリアムズに移籍”. Auto Sport web. 三栄 (2023年7月28日). 2023年8月20日閲覧。

参考資料

雑誌 / ムック
  • 『F1速報』(NCID BB22714872)
    • 『2023年 第12戦 ハンガリーGP & 第13戦 ベルギーGP合併号』三栄、2023年6月10日。ASIN B0BD46HMVF。ASB:FSH20230803。 

外部リンク

  • Bruno Famin - Linkedin (英語)
フランスの旗 アルピーヌF1
2021年 - 現在
ワークスチーム
チーム首脳
  • フランスの旗 ブルーノ・ファミン (チーム代表、アルピーヌ社{親会社}モータースポーツ担当副社長)
  • フランスの旗 フィリップ・クリーフ(ポルトガル語版) (アルピーヌ社{親会社}CEO)
主なスタッフ
  • フランスの旗 デビッド・サンチェス(英語版) (エグゼクティブTD)
  • イギリスの旗 ジョー・バーネル (エンジニアリングTD)
  • 不明の旗 エリック・メイニャン (PUTD)
  • イギリスの旗 シアロン・ピルビーム(英語版) (パフォーマンスTD)
  • イギリスの旗 デイビッド・ウィーター (空力TD)
  • イギリスの旗 ロブ・ホワイト (オペレーションD)
  • オーストラリアの旗 クリス・ダイヤー(英語版) (車両性能責任者)
元関係者
現在のドライバー
過去のドライバー
車両
現在のスポンサー
関連組織
※役職等は2023年8月時点。
1976年
試作・試走のみ
主な関係者
車両
関連組織
関連項目
1968年
試作・試走のみ
主な関係者
車両
関連組織
フランスの旗 ルノー F1
2016年 - 2020年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
主なスポンサー
関連組織
2002年 - 2011年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
タイトルスポンサー
主なスポンサー
関連組織
太字はルノーにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。
2001年 - 現在
エンジン供給
現在の関係者
  • フランスの旗 ブルーノ・ファミン (エグゼクティブディレクター)
過去の関係者
現在の供給先
過去の供給先
関連組織
※役職等は2023年2月時点。
1989年 - 1997年
エンジン供給
主な関係者
供給先
関連組織
1977年- 1985年
ワークスチーム
チーム首脳
主なスタッフ
主なドライバー
車両
主なスポンサー
エンジン供給先
関連組織
関連項目
※他チームへのエンジン供給は1983年から1986年にかけて行った。